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丹波篠山の農家に生まれ育ち、いっぽうで、大手外食企業に長年勤務した経験を持つよしあき農業の代表・岸本美明。その横顔をご紹介します。

私が生まれ育った丹波篠山東部・大芋(おくも)地区にある宮代は、27世帯からなる小さな集落。
住民の多くが高齢者となっており、管理ができずに耕作が放棄された田畑も少なくありません。
日本の農村が抱える問題を凝縮した集落と言えるでしょう。
かく言う私も、大阪の大学を卒業すると同時に都会の企業に就職。宮代を暮らしの拠点として大阪や名古屋へ通勤してはいたものの、年々荒れていく田畑や活気を失っていく地域の様子を肌で感じていました。同時に、ふるさとのために何もできない自分をもどかしく思っていました。

そんな私が農業に取り組み始めたのはおよそ12年前です。最初は、会社員生活の息抜きとして、週末の土いじりを楽しむ、といったものでした。そうするうちに、農業や農村が直面するさまざまな問題を自分自身の問題として実感するように。「宮代を元気にしたい」「農業という素晴らしい宮代の産業を受け継いでいきたい」という思いが募りました。そこで近隣の耕作放棄地などを借り受けながら徐々に農地を増やし、宮代全体を活気づける農業に取り組み始めました。そして2011年、会社を早期退職し、専業農家へと転身しました。

街おこしの担い手となるのは、「若者、よそ者、馬鹿者」だと言われます。若者とよそ者は読んで字のごとくで、馬鹿者はそれらの人を金銭的に支援する、いわばスポンサーのことです。
私は宮代においては、まだまだ若者です。約30年にわたって都会で働いていたのですから、よそ者としての視点も備えています。3つの条件のうち少なくとも2つの条件を満たすことができるのですから、きっと、宮代の街おこしに貢献できるはず。今はそう考えています。

そして、外食企業で働いてきた私だからこそのこだわりもあります。それは、食べ物を扱う仕事では、「正直さ」がすべての根源にあるということです。賞味期限の改ざんや産地の偽装など、食べ物への信頼を揺るがす出来事が頻発している現代。こんな時代だからこそ、正直に、そして真摯に食べ物や召し上がっていただく方々と向き合う必要があります。まして、農産物は自然の産物です。作り手の甘えや不誠実な心は、作物の育ち具合や収穫量となってはっきりと現れます。

正直に、まっすぐと―。長年の経験で得たこの信念を胸に、全国の皆さんにふるさと・宮代から大地の恵みをお届けする。それがこの街の活性化につながる。
丹波篠山の小さな集落で育った一粒のお米、一粒の黒大豆や黒枝豆にそんな思いを感じ取っていただければ、それに勝る喜びはありません。