よしあき農場がある宮代集落では、冬の間、丹波篠山の中でも雪が多く降ります。
春を迎え、桜が咲き誇るのも大阪や神戸に比べて10日ほど後のこと。それでいて、夏には盆地ならではの暑さに見舞われます。
集落に暮らす人の数より、シカやイノシシなどの野生動物の数のほうが多いのではという笑い話も、あながち的外れではありません。都会とは大きく異なる時間が流れる宮代での生活。私たちは、最高に贅沢な毎日を過ごしていると考えています。厳しい気候環境は、作物の生育を促し、滋味を蓄えてくれます。
イノシシの多さは、餌となるミミズの多さ、すなわち土壌が豊かであることの証です。
水、土、空気、そして緑。
豊かな自然が、農作物をはじめとした数え切れない大地の恵みをもたらしてくれているのです。
こんなに贅沢な暮らし、こんなに豊かな集落は、ほかにはないと私たちは考えています。だからこそ、よしあき農業は、自然に対する謙虚な気持ちを忘れません。減農薬を基本方針とし、無理な連作は行わず、しっかりと土の力を蓄えてから種をまき、作物を育てる。
それらはすべて、作物が育とうとする自然の力をお手伝いするため。
大地を、そして作物をコントロールすることなど、人間にはできません。
大いなる自然の前で、人間はちっぽけな存在です。
人間にできるせめてものことは、土を思いやり、作物をいたわり、そのために汗をかくことだけです。
収穫は、そんな人間に対する大地からのご褒美です。
私たちは大地に生かされています。
その感謝の気持ちを決して忘れることなく、今日も私たちは、畑へ、そして田んぼへと足を運びます。